ファイルを保存する用途で使われるNAS。会社ではファイルサーバーとして使われていることが多いでしょう。大量のファイルを保存できるよう、大容量のNASが人気です。NAS専用機として販売していることもあり、使いやすさ、安定性などの面で企業を中心に導入が進んでいます。
一方、個人がNASを利用するケースも増えています。ディスクの価格が下がったことが理由の1つに挙げられますが、個人でも大量のファイルを保存するケースが増えてきているのです。撮影した動画を保存したり、撮りためた写真を保存したりすれば、すぐに1GB、1TBといった容量になってしまい、ディスクが枯渇することになります。比較的高性能なBTOノートパソコンでも1TBの容量が限度でしょうから、やはり外部の保存する場所が必要になります。
NAS自体も進化しています。スケールアウトと呼ぶ技術を使えば、容量が不足したとき、既存のNASにノードを追加/接続するだけで簡単に容量を追加できます。その際、読み書きする性能も高められるのです。ノードを追加したことで、ファイルを読み込む、ファイルを書き込むといった作業を分散できるため、単純計算で性能を2倍に引き上げられるのです。
また、複数のNAS製品を1つに束ねて1台の大きなNASを構築できるものもあります。物理的にはあくまで複数台ですが、ユーザーからは1台の大きなNASとして見えるようになります。これにより、複数台に分散した余剰容量を有効的に活用できるようになります。異なるメーカーのNASを束ねて1台に見せられる製品も登場しており、NASの利便性はますます高くなっているのです。